雨宿り





「委員長」

「うん?」

「海、一緒に行ってくれる?あっ、海が駄目なら委員長の行きたいとこやったら何処でもいいし」

「海でええよ。ただし」

「うん?」

「ビキニは着いひんよ。ワンピースでいいなら行く」

「ワンピースで充分です。委員長スタイルええし…うん?」

へっ?

どうしたん。急に恐い顔して

「あ、あかん」

なんか焦ってるし。

なっ、何があったん?

「委員長…水着はあかんて」

「へっ?」

「他の奴に見られる。あかん」

「あのぅ、誰も私なんか見いひんよ」

「委員長は気づいてないだけやねん。この学校の奴らかて俺がちょっと油断すると熱い視線送ってるやん」

はぁ~

コイツは阿呆や!

「あんたなぁ、それ…あばたもえくぼやろ。私はモテません」

うん、断言する。

「それよりあんたの方がモテるやん。あんたのファンに私は睨まれてるんやで」

半分は本当。

この間も一年の女子(髪の毛、巻き巻きの盛り盛りのおめめバッチリの今時の可愛い子)に聞こえよがしに

「あんながり勉の根暗な女のどこがいいの」

って言われたわよ。

お前らなぁ、先輩を敬えちゅうねん!

あまりに阿呆らしいので飛び切りの笑顔をサービスしてやったわ。

びびってたみたいやけどな。