あっ!

「美桜~おはよう」

「渉、おはよう。ほら早よ行こ」

桜舞い散る道を歩いている美桜は…

まるで桜の精みたいや。

気高いくらいに凛として

そやけど

その微笑みは何より優しい。

「渉、渉って!どうしたん?ぼや~として」

「えっ?あ、いや美桜」

「うん?」

「綺麗やな」

「そやな。綺麗に咲いてんな」

へっ?

コイツ何言うてんねん。

「ちゃうがな」

「何が?」

美桜が首を傾げて俺を見てる。

その姿さえ可愛いと顔が緩む俺はかなり重症のようで。