公園に着いて

寒いからか誰もいてへん。

「あ、美桜ちょっと待っててな」

「?」

渉が走って

――



「はい、これ。温かいで」

差し出してくれたのは缶ココア

「ありがとう」

本当に優しいな。

ベンチに座り

二人、黙ってコーヒーとココアを飲む。

「渉」

「うん?」

「これ、バレンタインのチョコレート」

「あ、ありがとう。…ホント言うたらな」

「うん?」

「いつくれるんかなぁって思っててん」

渉がほんの赤くなった。

「開けてもええ?」

「うん」

リボンをほどき、丁寧にラッピングを剥がしてる。

「あっ!」

「か、形は悪いけど…味は大丈夫やと…思います」

何や自信がなくなってきた。

「美桜の手作り?」

「うん。お姉ちゃんらと一緒に作ってん」

「ありがとう。俺…めっちゃ嬉しい」

渉の笑顔全開。

ドキッ!

渉の笑顔なんていっぱい見てんのに、未だにドキドキする。

何でやろ?