「あっ、また降ってきた」

「美桜、家に入ろう」

雪だるまに雪が積もっていく。

「せっかく作ったのにな」

「また雪に戻るんやね」

「そやな」

「雪だるまは雪に帰るけど…美桜は?」

「うん?」

「美桜は何処に帰るん?」

家に…って…

「私は…いつも何処にいても、渉のとこに帰る」

「うん。俺の帰るとこはいつも美桜のとこや」

「うん。あっ、そやけど渉」

「うん?」

「浮気して帰って来るのはあかんで」

軽く睨んでみる。

「あ、当たり前やん。阿呆か!浮気なんかするわけないやん」

頭を小突かれた。

「痛~い」

「おおげさやな。痛ないて」

頭にキスを落として

「痛ないまじないや」

「ハハハ…」

渉…

私はいつでも あんたの傍にいるよ。

渉…

私は、雨宿りでも雪宿りでもなく…渉宿りやな。

渉も…美桜宿りしてくれる?

なっ、渉…




※Fin※