渉が二階から降りて来て

「やっぱりおかん足止めくらってる。 今電話したら車が走らへんて」

「そやろなぁ。あ、紅茶入ったで」

「サンキュー おかんが美桜によろしくって」

「うん」

渉は冷蔵庫に行きケーキを出して来た。

「おかんが朝作ったって。美桜に味見してもらってくれやて」

ケーキはレアチーズケーキ

「美味しそう。おばさん この頃ケーキ作りに嵌まったはんのん?」

前に来た時はパウンドケーキやった。

「うん。美桜が遊びに来るようになって張り切ってんねん」

「えっ?」

「お菓子作っても、俺ら何にも言わへんやん。下手したら食いもせえへんや ろ。そやから張り合いがないんやて。そやけど美桜はめちゃめちゃ嬉しそうに食うやん。そやから作りがいがある言うてる」

ケーキを食べながら

「そやからしょっちゅう美桜を連れて来いて言うてんねん」

「…ほんま?」

「あぁ」

「わぁ~ありがとう。嬉しい」

初めて会った時はドキドキしたけど、 渉の御両親はとても優しくて、特にお母さんとは仲良くなれた。

時々、渉がヤキモチ妬くくらいや。

二人 まったりと取り留めないこと話しながら、お茶飲んでると