「渉」

「うん?」

美桜がニヤッと笑い

「ヤキモチ妬いた?」

へっ?

ば、ばれてた。

「ハ、ハハハ…」

笑ってごまかそ。

「ヤキモチ妬き!」

美桜が嬉しそうに…

「や、妬いてないって」

「ほんと?」

「あ、あぁ」

「なんや、つまんない」

美桜が俯いた。

フッ…

「美桜」

「うん?」

「ほんまわな」

「うん」

「ヤキモチ妬いた」

恥ずかしいやん!

「ほ、ほんま?」

「あぁ」

「ヘヘヘ…」

「何やねん、その笑いは?」

嬉しそうな顔を俺に向けてくる。

「渉」

「うん?」

「耳、貸して」

美桜の口許に耳を近づけると

「ありがとう、妬いてくれて」

俺、真っ赤!

美桜を見ると

美桜も…真っ赤!

ヤキモチ妬かれるのんが、そんなに嬉しいんか?

あっ、そういうたら前に美桜がヤキモチ妬いてくれた時、俺…嬉しかったもんな。

そんだけ俺の事、好きになってくれてるんやと思ったもん。

ということは美桜もそんだけ俺の事… 好きいうことやな。

お、俺…めっちゃ嬉しいやん。

美桜をそっと抱きしめ

「早よ、治ってや。お前が隣にいいひんと俺…淋しいからな」

耳元で囁いた。

俺の胸にもたれかけ

「うん、うん」

また美桜の目から雨が降ってきた。

窓から外を見ると…

雨が…

フッ

美桜が雨を連れて来たんかな。

………

……







※Fin*