「美桜~」

ギュッて抱きしめられた。

「は、離してぇな」

ジタバタ暴れるのを抑え

「いや、離さへん」

え~?

「美桜、めちゃめちゃ可愛い。可愛すぎるやん」

はぁ?

私が可愛いって…御冗談を。

「もぅ、何回いや何百回も言い続けてんのに!美桜は、ほんまに可愛いの。俺だけちゃうで。クラスの奴らも、ほら、文化祭の時のジュリエットの時かてみんな可愛い言うてたやん」

「あ、あれは化粧してたから」

「ちゃうって。可愛いんやて…俺の言う事信じなさい」

渉の言う事は信じるけど…渉は私の事を好きでいてくれてるさかい『あばたもえくぼ』で可愛いと思い込んでるんや。

ごめんな、渉。

あんたの目にフィルター掛けてしもて。

美意識ズレさせてしもて、ほんまごめん!

そやけど、もう少し美意識ズレといて。

もう少しだけ、私を可愛いと思といて。

なっ…

「渉」

「うん?」

「ありがとうな。私を好きでいてくれ て」

「美桜…」

優しく甘く深い口づけを……

……



渉…

私に掛けた魔法

解かんといてな

……



できたら…

永遠に…

……






※Fin*