「あの時、傘貸してくれた委員長が凄く綺麗で、そやけど名前聞かへんかったし傘返しそびれて…ごめん」

「あっ、かまへん。あれ確かビニール傘やったから返さんでいいって言うたやん」

「うん。あん時な委員長…大人びて見えたから、先輩やと思って」

「へっ?」

「同じ一年って知ったん、だいぶたってからやねん」

大人びてるって…老けて見えるって事?

私の顔が複雑やったんか

「違うって。ほんとに綺麗やったから先輩と違ってよかったなと」

「?」

「あん時の俺…今、委員長が言ったように小そうてガキみたいな顔やったから委員長と釣り合わへんと」

「……」

「そやけど同級生やったら俺かて背伸びるやろし、マジに一年で10㌢以上伸びたし、ちょっとでも大人に見えるように茶髪にもした」