そのうえ

「なぁ美桜」

小姉が、ニヤッと笑みを浮かべ

「どこまでいったん?」

へっ?

何処まで行ったって

「そんな遠出してへんで」

「はい?」

大姉と小姉が変な顔してる。

「バイクで空港まで行ったけど」

「「ブッハハハ…」」

な、何?

二人が涙流して笑ってるんですが。

「大姉、小姉」

「ご、ごめん。その何処か行った違て」

「だから、手、繋いだとか、キスしたとか、それ以上とか」

はぁ?

キ、キス以上って…

えっ、も、もしかして?

「小姉!何ちゅう事言うん」

「顔赤いで」

「美桜はあんたと違て真面目なんやから…キスすらしてへんのんちゃうか」

「まさか、いくら何でもそんなんやったら渉君、可哀相やわ」

へっ 渉が可哀相?

「キスくらい済んでる!」

「……」

「……」

あっ、口滑った。

「ハハハ…そうか、渉君もやるなぁ」

「あんたも大人になって…お姉ちゃん嬉しいわ」

「ほんで、それ以上は?」

もう!

二人揃ってやいのやいの煩い。

「有るわけないやろ。まだ高校生やで」

「……」

「……」

へっ、どないしたん?

「美桜…あんた、いつの時代の人?」

「桃香(モモカ・小姉の名前ね)あん た言い過ぎ」

「薔子(ショウコ・大姉の名前ね)姉、 だってさ」

「美桜は、あんたと違って奥ゆかしい んやから、いらん事教えんでええ」

「そやけど…ハハハ…」

「ハハハ…」

際限なく笑い続けてる。