何故人にものを頼んでいるのに命令形なのか?
この俺様な性格はどうにかならないのか?
一体どういう教育を受けて育ってきたのか?

そんなことは聞けるわけも無かった。


しかも考えるだけ無駄というものだ。

この性格はちょっとやそっとでは直るものでは無い。
雲雀の中には妙な確信があった。


「何見とんねん。」


ぼんやりと隼を見ていれば、こうやって睨みをきかせられる。


「・・・すいません。」


雲雀にはただ謝ることしかできない。

この男に逆らえるはずが無かった。

雲雀は黙々と手を動かしていた。
刺繍の課題くらい自分でやればいいものを、また面倒な仕事は押し付けてくる。

自分は1/4作図をしている。
ちらと見てみたが複雑な作図をひいていた。


やっぱり、この男は違うのだと。

また雲雀の中で妙な確信が生まれる。






「あれ?最近妙なちっさい子といるって噂、本当だったんだ。」


そこに現れたのは、前に見たはずのモデル体型の男。

遠めで見ても格好良かったが、近くで見るとさらに格好良さが伝わる。
なんだか眩しくてクラクラするぐらいだ。


「何の用ですか、瓢さん。」


そうだ、フクベだ!
雲雀はその名前を聞いた瞬間に全てを思い出した。