小道をしばらく歩くと
小川が流れており、そこで脇道に入ると
隠れたところに祠がある
凜がまだ小さい頃
母とはぐれたときに
ここにたどり着き
ふと思い付いた方向へ進むと
畑に戻れたのだ
凜はそれからここに来て
荒れ果ててしまった祠を
綺麗に掃除するようになった
彼女なりの恩返しというわけだ
いつものように
祠の周りの枯れ葉を取り除き
小さいお皿に小川の水をくんで
そっとお供えする
満足したように
凜はうなずいてまた
畑に戻っていった
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