母が一生懸命仕事に励んでいる間、
凜も家の仕事に励む
母の性格を受け継いで
凜もとても几帳面だ
そのお陰で質素な一軒家でも
いつも清潔に保たれている
日が昇りきるまでに
掃除と洗濯を凜はこなす
そして村外れにある
小さな畑に出向き
作物の手入れをしてやるのだ
村外れにはみんなそれぞれの畑が
集まっている
宇京家の畑もすみのほうに
ひっそりあって作物も少しばかり
実ってくれる
凜はそれを見守るのが大好きだった
丁寧に草を抜き、水をまき、
色づいた野菜を収穫する
小さなかごの半分も採れないが
それでも凜は幸せを感じるのだ
作業が早く終ると
畑から近くの森へ続く小道を
凜は一人で歩く
凜は一人になるのが好きだった

