帰り道では寄り道もせず
懐に入れたお金を抱きしめ
急いで帰った

母は帰ってきた凜を見て
嬉しそうに手を振った

「お帰り、凜」

優しく微笑む母、
凜はその笑顔だけで
幸せになる

「ただいま、母さん!
母さんの着物、高く売れたよっ」

それを聞いて、母はさらに
にっこり笑った

「そぅ、よかったわ
今日は母さんが御飯を作っておいたの
凜の好きな山菜雑炊よ。
卵が安売りしていたから
それも入れてみたの。
豪華でしょう?」

「本当!?
ありがとう、母さん!」

二人は楽しそうに笑いあう