花はすぐお金を渡してくれた
それからしばらく
世間話に花を咲かせていたが
そろそろ凜は帰ることにした
「じゃあ気をつけてね
母さんによろしく!」
「はいっ!
お花さん、ありがとう!」
「いえいえ、
…あ、そうだ凜ちゃん、
明日の山巫女のお祭りは
知ってるかい?」
「山巫女…?」
「知らないみたいだね、
明日、昼頃から笹神町の
大広場であるんだけどね
毎年恒例の賑やかな祭なんだよ。
だけど最近なぜか行われてなくて
…かれこれ10年は途絶えてたねぇ」
「へぇ、そうなんですか…」
「明日は久しぶりの山巫女祭さ!
きっと盛り上がるよ!
他の町から泊まりがけで来る人も
いるみたいでねぇ、
隣の旅館はもう満席らしいし
…どうだい、凜ちゃん、
明日お祭りに来ないかい?」
「楽しそう…!
私も行きたいです!
帰ってから母さんに
相談してみますねっ」
凜がそう答えると
花は嬉しそうににっこり笑った
「そうかい、来るのを
楽しみにしとくよ!」
店先まで花は見送ってくれ、
凜も手を振りながら家路についた

