「お花さん、相変わらず
お元気そうですね!
あ、これ、頼まれてたやつです
昨日まで母さんが丁寧に
織ってくれてたんですよっ
どうです?」
二回にある個室に
上がらせてもらって
凜は粗茶と
少しの菓子をもらっていた
これはいつものことで
花は何かしら
凜をもてなしてくれる
それも一つの楽しみになのだ
花と、ずっと
話していたいのは山々だったが
母が織った着物を花に見せた
「あらまぁ、綺麗だこと!
織り目も丁寧だし、
質がいい着物だねぇ」
花は嬉しそうに着物を見る
凜はいつもにまして
母に誇りを感じた
「これは高く売れるよ
いつもの倍はいくね…
凜ちゃん、お母さんに
ありがとう、
って伝えといとくれ」
「うん!」

