翌日、凜は
いつもにまして早起きし
出掛けるよういを
手早く済ませた

凉も珍しく早起きして
一緒に朝食を食べ、
凜を見送ってくれた


「いってきまーすっ!」


笹神町へ行くのは
久しぶりだ

凜は、まだ薄暗い通りを
一人意気揚々と歩いていく



途中で魚売りに出会った


「あれぇ、凜ちゃん?
こんな朝っぱらから
一体どうしたんだい」

「あ、おじさん!
今日は笹神町へ行くんだっ
母さんのお使いだよ」

「へぇ、笹神町かぁ
おいらも最近行ってねぇや…
まだ暗いし、気をつけてな」

「うん、ありがとう!
そうだっ、この前のお魚のお礼に
なんかお土産買ってくるよ!」

「おぉ、そうかそうか
ありがとよ、けど気にすんなって!
凜ちゃんが
笹神町の様子を話してくれたら
それだけでおいらは満足さ」

「そっか…わかった!
いっぱいお話聞かせてあげる
じゃあ遅くなっちゃうし、
そろそろ行くねっ」

「おぅ、気をつけてな!」