「ところで昨日は、どこに泊まったの?」
「俺ん家」
また翡翠が答えた。
「もう、さっきからなんであんたが答えるのよ。
わたしはユリちゃんに聞いてるの!」
はいはい、とでも言いそうな感じで翡翠はコートを脱ぎ、社長室にあるクローゼットに掛けた。
そのあとデスクに向かって行った。
「………ちょっと待って。
俺ん家って翡翠の家?」
「他に何があるんだよ」
「はあ?!
ユリちゃん、大丈夫?!」
何がですか?
意味がわからなくてわたしは首を傾げた。
「翡翠の家に行ったんでしょ?
大丈夫?何もされてない?」
「大丈夫……です」



