残ったのは、わたしと昨日の男。
なんか気まずいな。
「おい、そこに座れ」
男が座っている前のソファーを指をさしながら言われた。
おいってなによ。
おいって。
昨日からこの人偉そうだよね。
そう思いながら、渋々とソファーに座った。
目の前の男はやっぱり綺麗。
そこがまた、なんかむかつく。
「ここに連れ来られた理由、聞いたか?」
わたしが座ると見つめられ、聞かれた。
うっ
あの瞳、苦手だ。
わたしは目線をずらし、首を横に振った。
理恵さんは結局何も教えてくれなかったし。
「そうか」
それだけ言うと、また黙ってしまった。
えっ連れて来られた理由、教えてくれないの?



