ビルの中に入ると、警備の人がちらほら。受付っぽいところには、女の人が二人いた。
理恵さんは、慣れているようで、スタスタと歩いて行く。
歩くの早っ。
わたしはもう着いて行くのに精一杯だった。
急ごうと理恵さんを見ると、理恵さんはすでにエレベーターに乗って、わたしが来るのを待っていた。
わたしもせかせかとエレベーターに乗ると、それと同時に扉が閉められた。
なんでそんなに急ぐんだろう。
わたしが遅いからかのか、ちょっとイライラしている。
なんか怖っ。
エレベーターの行き先は、最上階の30階だった。
こんな高いビルだから、夜は夜景が綺麗だろうな。
わたしはこのビルで働くのだろうか。
結局、理恵さんは説明してくれなかったし。
まあ、そんなに焦らなくても、最上階に着けばわかるよね。



