それから誰も話すこともなく目的地に着いた。 目的地に。 目的地……… ここが? だってここ、アパートでもなくて、マンションでもなくて、ましてやホテルでもない。 超街のど真ん中に建つビルだ。 わたしと理恵さんは、ビルの前の道路に横付けして降ろして貰い、男の二人は、地下の駐車場に車を停めに行った。 ビルを見上げると、首が痛くなるほど高い。 でもなんでこんなところに…… 「さっさと行くわよ」 いつの間にか理恵さんは、もうビルの入り口にいた。 わたしもその後ろに慌てて着いていった。