男の人二人は、ずっと黙まったまま、姿勢よく立っていた。
寒い中、ご苦労様です。
「それじゃあ、今からそっちに連れていくわ」
女の人は電話を終えたみたいだ。
電話の相手は多分、わたしが今から連れて行かれるところにいるのかな。
「荷物持った?じゃあ行くわよ。
木村、持ってあげて」
女の人がそういうと、急に手元が軽くなった。
スキンヘッドさん、基、木村さんが荷物を持ってくれたからだ。
「あ、ありがとう……ございます」
荷物を持って貰ったことに驚きながらも、三人に着いて行った。
この人達優しい。
いつもなら、"早くしろ""さっさとついて来い"って言われるだけで、荷物を持って貰ったこととか一度もない。
次行くところは、今のところよりもマシなところかも。



