「はい。そうですけど………」
「あなたがユリちゃんねー。ふーん、確かに……
でもよかった、意外と早く見つかったわ。
朝いきなり電話かけて来て、あいつ、人使いが荒すぎなのよ。
今日は休んでいいって言ったくせに」
女の人は口早によくわからない事を言っていた。
大人の事情ってやつ?
「とにかく、あなたは荷物まとめてきて。
早くしてね」
いきなり来て、説明もなしに荷物をまとめろって言われても………
まぁ、説明されなくてもだいたいわかるけど。
そう思いながらも、わたしは渋々荷物をまとめた。
わたしの部屋には物が少ない。持っていく物はせいぜい、着る物といつもつけているネックレスぐらいだろう。
だから、すぐに荷物をまとめられた。
またさっきのところに行くと女の人はどこかに電話をしていた。



