その瞬間、フッと全身の力が抜けた。 やっぱりだめだ。 何をやっても……… 何をやってもうまくいかない。 「……はぁ」 今度はため息をつく、目の前の男。 次は何? 「そうやっていつも諦めてきたのか? 今回もまただめ。何をやってもだめ。 そんな風に投げ出したのか?」 ジッとわたしの目を見ながら、問い掛けてきた。 すごく綺麗な真っ黒い瞳。 目が離せない。