「珠莉!」
翡翠が近寄ってきて抱きしめられた。
「珠莉……」
抱きしめられていた体を離されて、両手で顔を挟まれ視線を合わせた。
翡翠は悔しさと哀しさ、怒りが交ざったような顔をしていた。
「翡翠……わたし、大丈夫だよ!」
わたしが笑顔で言うと、また抱きしめられた。
それから、警察が来て百瀬社長は連れていかれた。
黒いものを両手に付けられて。
「珠莉ちゃん、ごめんなさい!
わたし何もできなかった………」
警察の人達から話しを聞かれ、警察の人が帰ってから、亜由美さんに謝罪された。
「いいですよ、そんなの。
みんな無事だったんだし………」
「でも………」
「いいんです、気にしないで下さい!」



