恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】




「いつも、哀しそうな瞳してた。
翡翠に話し掛けるときも、わたしを呼出したときも………
でも、今日は特に……哀しそう………」



「…………」



「助けてって……言ってる」



わたしも昔、経験した………
助けて欲しくても、助けてもらえない、助けてくれない………




「………ッ」



亜由美さんは静かに、涙を流した。



「亜由美さん……何があるの?」



「あなた、社長と離れないと………」



またそれ………?



「社長と離れないと、危ない」



「どういうこと……?」



危ないって……意味がわからない……



「お父様はきっとあなたを狙うわ」



「なんで亜由美さんのお父さんが?」



わたし何もしてないと思うんだけど………



「お父様は会社のためならなんでもするわ。
あなたさっき言ったわよね?
お父様に言われて私が社長に近付けさせられてるって」