「珠莉、行くぞ」
そう言って差し出された翡翠の手を握りしめ建物の中に入った。
緊張する………
「すみません」
翡翠が事務室にいる人に声を掛けた。
「あ、はい」
そう返事をした人は、わたしが見たことのない若い女の人だった。
「どうされました?」
翡翠を見ると顔を赤らめて、そう聞いてきた。
「お、……青木さんはいらっしゃいますか?」
わたしは聞いた。
危ない、お母さんって言うところだった。
お母さんの名前は青木美和子-アオキミワコ-。
「園長ですか?」
「あ、はい……」
「前もって連絡されましたか?」
「いいえ」
「えっと、ではお名前をここに記入して下さい」
渡された紙に名前を書いて女の人に返した。



