「――いらっしゃい」 お店のおじさんは目が合うと、そう言ってきた。 わたしはおじさんに少し相槌をうってから、お店の中を見渡した。 カウンターに一人、テーブルに二人しかいなかった。 しかも多分ここで見た事のある人ばかり。 よかった、やっぱり少ない。 わたしはカウンターのいつもの席に腰を下ろした。 奥から3番目の席。 「今日もいつもの?」 「うん、お願い」 おじさんはいつもわたしが同じ席に座って、同じ物を頼むから、わたしの事を覚えてくれたらしい。