会場内に戻るとお袋や珠莉が傍にいないのを良いことに女共が近寄ってきた。



親父と一緒に居るとこれだ………


だから一緒に行動したくない。




親父が丁寧に交わしている間、俺は完璧に無視して珠莉が居るところへ戻った。



だけど、お袋と理恵のところに行っても珠莉はいない。



「珠莉は……?」



「あ、翡翠……ユリちゃんならお手洗いに行ったわよ」


理恵が答えた。

は?



「そうなのよ。
でも中々戻って来ないの」

はぁ?!



「……なんで一人で行かせた?!」


そう叫んで会場を飛び出した。



「ちょっと!翡翠?!」



お袋がそう言った言葉は、俺の耳には届かなかった。