恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】




「珠莉、大丈夫だ。
いつものことだから」



わたしがあたふたしていると、翡翠が言ってきた。


いつものことだからって……泣いてる人をほっといていいの?



どうしよう……



あっ!





「あの…早百合さん、これわたしの食べかけですけど………どうぞ、食べてください」




そう言ってわたしが早百合さんに渡したのは、わたしのお弁当。



早百合さんの口に合うかわからないけど、お弁当食べて気が紛れたらいいかなって思って。



早百合さんはお弁当を貰うとしぶしぶ食べはじめた。



「これ……誰が作ったの?」



「珠莉だよ。
毎日、俺の分も作ってくれる」




涙声で聞いてきた早百合さんに翡翠が答えた。



「珠莉ちゃん……このお弁当………」



ま、まずいって言われたらどうしよう………



「………すごくおいしい!」