「さぁ?知らないわ」
「はぁ………」
翡翠は知らないと言った早百合さんに、ため息をついた。
「またケンカしたのか……」
ケンカ?
「あんな人なんて、もう関わりたくない!」
さっきまでにこにこしてた早百合さんが、今は怒った顔をしている。
というか、なんか悲しそう?
「ケンカしたら、毎回ここに来んのやめろよ……」
「そ、そんなこと言わなくたって………
翡翠の、翡翠のばかぁー!!」
翡翠の言葉が気に障ったのか、泣き出した早百合さん。
「さ、早百合さん?!
どうしたんですか?」
わたしは翡翠から離れて泣いている早百合に近寄った。
翡翠と理恵さんを見ると、やれやれと言った感じでお弁当の残りを食べ始めていた。
なんでそんなに冷静なの?
早百合さんほっとくの?



