シャワーを浴びて、出てきてもユリはまだ寝ていた。
起こすか………
「ユリ、ユリ!」
起きねぇ。
「ユリ……ユリ!」
「ん………ひすい?」
何回か呼んで、やっと起きた。
「なんでこんなところに寝てんだ?」
「お酒臭かったから………」
ユリはそう言うけど、嘘だな。
目が泳いでる。
何があったんだ?
だけど、あえて聞かなかった。
できるだけ、ユリが自分から言ってくるのを待とう。
そして、俺は最近家にこもりがちなユリのために、出かけようと誘った。
すると、ユリの瞳がキラキラとなった。
誘ってよかった。
ユリが水族館に行きたいと言ったから水族館に行くことにした。
水族館に行く途中、前ユリが住んでいた街を通った。
ユリはある場所を通ると、懐かしむような顔をしていた。
ユリがこんな顔をするなんてな………
帰りに来てみるか。



