「こんなところで社長とか言うなよ」
はぁ……
とため息をつきながら言う翡翠だけど、亜由美さんはそんなこと気にしない。
「あっごめんなさい」
可愛いなぁ……
「そういえば昨日、大丈夫でしたか?」
「ああ」
昨日って……やっぱり………
昨日のことを思い出すと自然と手に力が入る。
「ユリ?どうした?」
「あ、ううん。
なんでもない!」
手に力が入ったことに翡翠は気づいたけど、わたしは何もない振りをした。
「今日はどうしたんですか?」
「たまには出掛けようと思ってな」
「え〜?じゃあわたし誘って下さいよ」
それってわたしへの当てつけ?
しかもそれって、亜由美さんと一緒にいる友達にも失礼なんじゃ………



