恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】




なんでこうなるの?



「離して下さい!」



と言っても言うこと聞いてくれない。



その時だった……



わたしを掴む腕をまたさらに誰か掴んだ。




その先を見ると、恐ろしい顔をした翡翠がいた。




「翡翠!」



「お前何やってんだよ……」



ドスの聞いた声で翡翠は男に言った。



「失せろ」



翡翠が睨みながら言うと、男は顔を歪め他の二人を連れて去って行った。



「くそガキが……」




さっきとは違う優しい顔になって、わたしに視線を向けた。



「ユリ、大丈夫か?」



「うん、ありがとう。
翡翠あの人に何したの?」


「ちょっと腕を握っただけだ」



そのちょっとって………
一体どんくらい?