なんでこうなるの?
「離して下さい!」
と言っても言うこと聞いてくれない。
その時だった……
わたしを掴む腕をまたさらに誰か掴んだ。
その先を見ると、恐ろしい顔をした翡翠がいた。
「翡翠!」
「お前何やってんだよ……」
ドスの聞いた声で翡翠は男に言った。
「失せろ」
翡翠が睨みながら言うと、男は顔を歪め他の二人を連れて去って行った。
「くそガキが……」
さっきとは違う優しい顔になって、わたしに視線を向けた。
「ユリ、大丈夫か?」
「うん、ありがとう。
翡翠あの人に何したの?」
「ちょっと腕を握っただけだ」
そのちょっとって………
一体どんくらい?



