――――
「………リ、ユリ」
「ん?……ひすい?」
翡翠に名前を呼ばれて目を覚ました。
シャワーを浴びたのか、髪が濡れている。
「なんでここに寝てんの?」
「翡翠を寝室まで連れて行ったんだけど、お酒臭かったから………」
半分ほんとで半分嘘。
「ごめん」
「ねぇ、翡翠」
"昨日誰と一緒にいた?"
そう聞きたいけど、聞けずに言葉を飲み込む。
「ん?」
「あ、あのさ、朝ごはんどうする?」
適当に思いついたことを言ってごまかした。
「今はいい。
気持ち悪くて吐きそう」
「わかった。
今日会社は?」
「土曜だぞ?
休みだよ」
あれ?
昨日金曜日だったんだ。



