キッチンをキレイにしてから夜ご飯を作った。
木村さんは何が好きなのかわからなかったから、わたしの中で一番無難だと思うカレーを作った。
キャベツとかキュウリもあったから、サラダも作っておいた。
そしたらちょうど、木村さんが帰ってきた。
「うわっすごい。キレイになってる。
それに、いい匂いがする。
カレー作ったの?」
「うん」
「俺、カレーが一番好きなんだ」
カレーにしてよかった。
それから木村さんと二人でカレーを食べたながら、今日の翡翠の話をした。
大事な会議の時にボーッとしてたり、イライラして物に当たって殴ったり、蹴ったりしてたらしい。
木村さんはおもしろかったと言うけど、翡翠、大丈夫なのかな?
いつもはそんなことないのに。
翡翠の話を聞いたからなのか、そわそわする。
「ユリちゃん、翡翠に会いたい?」
もう、三杯目のカレーを食べている木村さんに聞かれた。
カレーが好きって本当なんだ。



