恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】




「俺の名前呼んでくれないのか?」



え?



「"翡翠"って呼んでくれないのか?」



「なんで?」


またいきなり変な事を……


「昨日はたくさん呼んでただろ。
しかも、一ヶ月たってやっと」



「昨日は………」



昨日のことを思い出す。



「もう!昨日のこと、思い出させないでよ……」



「どうして?」



「どうしてって……
恥ずかしいの!」


睨むように翡翠を見上げた。
だけど、翡翠は笑っていた。



もう……恥ずかし過ぎる。




「また呼べよ」



さっきまで笑ってたのに、いきなり真剣な顔で言う翡翠。




「…………」




綺麗な瞳に見つめられ、いつものように目が離せない。