恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】




「ユリ………」




翡翠に優しく抱きしめられた。


「どうしたの?
わたし、大丈夫だよ……」


「大丈夫なわけないだろ。
震えてんだろぉが」




大丈夫だと思ってるのに。
身体は正直だ………



「昨日言っただろ。
もっと頼れって」



「うん……」



また頭を撫でてくれる翡翠。
最近よくしてくれる。

翡翠が頭を撫でてくれる度に、不安が恐怖が取り除かれていく。




しばらくそうされていると、身体の震えが止まっていた。




「ありがとう……」



少し身体を離し、翡翠を見上げて言った。




「いや、それよりも……」



そう言って言葉を詰まらせた翡翠。
なんだろう。