恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】




怖くて声が奮える。



「お前捕まえるのに一ヶ月もかかったんだ。
これぐらいいいだろ?」




わたしそんな前から狙われてた………?

全然気づかなかった。




「しかしお前、あの社長に大事にされてんなぁ。
外に出る時には必ず誰かと一緒にいて、連れ去ろうとしても隙がねぇし」




翡翠はわたしが狙われてるのを知ってたんだ。
だから、いつも一緒にいてくれたんだ。わたしのために………

わたしをずっと守ってくれてた。




なのに……
わたしは何も知らないで、ただ自由じゃないことに不満を持ってた。



ごめんなさい、
翡翠………





翡翠は守ってくれたのに何も知らなかったわたし。
守られる時だけ守られて、自分の身さえ守れない。




翡翠……
ごめんなさい




「…ッ……」