「穂香~帰ろー!」


と、友ちゃんが
あたしの席にやってきた。


「じゃー俺も帰るわ!
じゃあ~な穂香!」


坂崎くんはあたしに手を振ってから帰って行った。


それにしても、坂崎くん
あたしのこと穂香って読んだ
よね。


なんか、普通に名前で呼ばれると照れるな…。


「ねぇーあんた達いつの間に
あんな親しくなったのよ!」


さっきの光景を見てた
友ちゃんが不思議そう
聞いて来た。


いつの間にって聞かれると
自分でもわからない…。


でも、しいて言うなら…


「さっき?」


かな?


「なんで疑問系なのよ!
まぁーせっかく仲良くなれたんだから頑張りなさいよ!」


んん?なにを頑張るの?


「なにを?」


「はぁ…!何でもないわ…」


変な友ちゃん…。


この時のあたしは恋を
知らなくて友ちゃんの
言ってる意味が全く
わからなかった。


本当の恋を知るのは
まだまだ遠い先。