使者の黙示録

野瀬は、アーケードを歩く修道院の少女たちを見ながら、つぶやく。


「あの子たちは、確か『ユリアナ教団の美少女』では?」

「あの子たち、可愛いよね!」


団司がつられるように声を出す。


ここで、ふつうであれば

自分の依頼人につながりかねない話は、絶対にしないだろう。

しかし、野瀬はあえて教団を話題に引っぱり出す。


「ユリアナ教団は、あまり良い噂を聞きませんね」

「そう?」

「教団の信者たちは、裏で何をやっているか分からない人が多いようですよ」

「ふうん」


団司は、まったく興味がなさそうな態度を示す。