使者の黙示録

野瀬は腕時計に目を移す。

修道院の少女たちが「お使い」に出発する時刻が近づいている。


(あの男も、そろそろ動きを見せてもよさそうなものだが…)


そう思った野瀬は、ホールにいる見張り人に連絡を入れようと、スマートフォンを手にする。

だが


「!?」


野瀬のスマートフォンは電源が落ちた状態で、いくら起動させようとしても電源が入らない。

こういうときのために、野瀬はもう1台フィーチャーフォンを備えている。

ところが


(バカな!)


そのフィーチャーフォンも電源が落ちたまま、再起動することが適わない。