使者の黙示録

修道院から車で5分走れば、街並みがガラリと変わってくる。

所々に大きな建物が見えたかと思えば

あっという間にビルの密集地帯が目前に迫ってくる。

車の流れは徐々に滞り、道行く人々も増えてくる。


車が修道院を出発して、10分ほど経過すると

運転手は左側のウインカーを点滅させ、車を路肩に停車させる。


「ご苦労様でした」


マザー・アミコは運転手にそう言うと

シスターたちとともに、車外に降りる。

街なかではあるのだが

彼女たちが降り立つ歩道は、それほど人通りは多くなかった。