使者の黙示録

車のドアを開けて乗り込もうとする彼女たちに、新車の香りが広がってくる。

腰をおろすシートは、とても座り心地が良い。


助手席に座るマザー・アミコの低い声が、車内に響く。


「いつもの場所に、お願いします」

「わかりました」


馴れたように返事をする運転手。

その会話は、後部座席に座るシスターたちには合言葉のように聞こえる。


サングラスをかけた運転手の、がっちりとした体格は

格闘技に通ずる者の匂いを漂わせる。


そんな彼はゆっくりとアクセルをふみ、目的地に向かって車を走らせるのだった。