「ひなちゃん、絵本読もうか?」と縁側で母の膝の上に座り、笑顔で「うん!」と返事をする幼い私がそこにいる。
母も温かい笑顔を向け私の頭を撫でる。

何月だろう?
ぽかぽかの縁側。頬を撫でる温かな風。
庭には若葉が見え隠れしている。4月だろうか?

私の心もぽかぽかで母の読み進める絵本に目を向ける。
私はこの絵本が一番好きだ。
「みにくいあひるのこ」。

「ねぇ、ママ?ひなも大きくなったら白鳥さんみたいにキレイになれるかな?」
「そうね。ひなちゃんは可愛いから綺麗になれるわよ。」ふふ。と母は笑っていた。