小さな花



それから僕等は少し雑談をして過ごしていた。

「ねぇ遠くから爆発音が聞こえない?」

「確かに聞こえますね。行ってみますか?」

葵さんは力強く頷き、僕の手を握った。

その手は微かに震えている。

「大丈夫ですよ。僕がいますから」

それから僕達は走って広場に向かった。

「紀伊さん!?」

「紅!葵!ここは離れろ危険だ!」

紀伊さんは紅い炎を前に僕達に叫んだ。