やるからには本気で。罰ゲームも自分にとって屈辱極まりないものにしようと考えた挙げ句出た答えが………。
………愛の、告白。
お互い嫌いでしかない二人にとって、これ程屈辱的なものは無い。
リネットからすれば、愛の告白なんぞ…舌を噛み切ってでも拒否する事だ。
ある筈の無い愛をどうやって告白しろと言うのか。
そんな魔の罰ゲームを逃れるべく、二人は死に物狂いで勝とうとする。
………今のところ、戦績はリネットが七勝、アベルが八勝。
………あと二勝されれば、リネットは死にたくなる様な罰ゲームをしなければならない。
………チッ…と舌打ちし、爪を噛むリネット。
そのリネットを面白そうに上から目線で見るアベル。
「………負けるだけでも屈辱ですのに………………くっ…!」
今日はこれまでか…と悔しそうに駒を直そうとリネットは手を伸ばした。
………途端、アベルは手で口を覆い、やや屈んで咳込み始めた。
肩を震わせ、苦しそうに息をするアベル。
「…………ゴホッ…………ッ………ゴホッ……」
「………………お薬はちゃんとのんでいらっしゃるの…?」
せっせと駒を片付けるリネットは、チラチラとアベルを見ながら言った。
………アベルには、持病があった。
何の病気かは知らないが、かなり重い病気らしい。
免疫力が極端に低く、風邪なんかもすぐに引いてしまう。妙に青白い肌もそのためだった。


