亡國の孤城 『心の色』(外伝)













「―――執務?」




自分が変わり者の一匹狼であることなど、他人に指摘されなくとも当の昔に分かっている。

僕は昔から本当に人見知りが激しくて。
慣れ合いは好きではなくて。
世の中がどう混乱しようが本当のところどうでもよくて。
何が良いとか悪いとか、自分の中で双方の境界線はしょっちゅう変わっていて。

この世界で一番信じているのは、自分で。



自己中心的だと言われても、ああそうだけど何か…、と平然と返す僕が気に食わない人間は多い。

事実、僕は典型的な自己中心人間なのだと認めよう。否定するつもりもないし、そんな意欲もわかない。僕のことを誰がどう見ようが構わない。

そんな僕は、自分の意思から目を背けて今まで流れに流されてきた。

というよりも、意思など元から無い様なものだったのかもしれない。


自分で先を決める、ということが、ほとんどと言ってもいいくらい無かったのかもしれない。

これから先も、きっとそんな機会など無いのだろうなと僕は思っていた。






……だから、とある昼下がりに吹っ掛けられた彼女からの唐突な話には、普段無表情な僕の顔もさすがに何かしらの感情を浮かべていたかもしれない。
それほどまでに、その話は突然で、予想だにしていなかったもので。

流れに流されていた僕をせき止めるには、充分だった。



僕が唯一本気で耳を傾ける彼女…昔から上司だけど今はもっと身分が高くなった女王陛下は、挨拶みたいな軽い乗りで僕に言ったのだ。







「そうだ。今まで同様軍部でも構わないが……その頭を、政治に使ってみる気はないか?…ダリル」