亡國の孤城 『心の色』(外伝)




黄金色に光り輝くイブの目は、リストを映し、ジンを映し……………ニンマリと妖しい笑みを浮かべた。





「来る来る来る来る来る―――!!おいジン!!逃げるなら逃げるでもっと構えろよ!!」

「アベレット、熱でもあるのですか。今日はもう休みなさい」

「だから違うって!!」



お前天然だろ、そうだろう!!と頭を抱えるリスト。


―――その、直後…。



















イブは、勢いよく床を蹴った。

















髪を振り乱し、牙をむき出しにし、血に飢えた眼でこちらを映し………突っ込んできた。


ギャアア―!?…とリストは悲鳴をあげ、逃げ場をどうにかして確保しようと、とりあえず背後に並ぶ丸太の上に飛び乗った。


………だが、逃げる体勢に入っているリストに反し、ジンは突っ立ったままだ。

危機感を感じていないのか何なのかは分からないが………今度はジンがターゲットにされたらしい。

向かって来るイブの目は今、ジンしか映していない。




巻き込んでしまった事にちょっぴり罪悪感を感じつつも、タイミングを見計らって逃げようとするリスト。
しかし、ここで見捨ててはいけないだろう。

既に自分はアレクセイを捨て駒にした身だ。………今このジンを見捨てれば……………………あれ?リドム家を二人も捨てた事になる。
祖父と孫から恨まれるではないか。





(………ここはもう………応戦しかない…)

意を決したリストの目下で、ジンが“闇溶け”で長い鞭を取り出すのが見えた。

パシンッ…。

小気味好い音が空間を弾く。