亡國の孤城 『心の色』(外伝)




「……………………………それが………………あの、馬鹿に………食われそうで………ああああ!!とにかく追われてるんだよ俺は!!」

「馬鹿ではありません。名前で言いなさいサベス」

「一々細かいんだよお前!イブだよイブ!!イブ=アベレットだよ!!野獣と化した奴から必死こいて逃げてきたんだよ!!」





イブ、と聞き…ジンはピクリと反応した。

「………アベレットが……………………………………………何故貴方を追いかけているのですかサベス…」


何故か険悪な表情でズカズカと問いただしてくるジン。
相も変わらず無表情だが、なんだか怒っている様だ。



………え?俺、こいつの機嫌を損ねる様な事、何か言った?言った?

「いや、何故って…………………いやいやいや!!お前も奴に狙われるって!!こうやっている今も奴はここに向かって……………」






………途端、リストの顔がサッと真っ青になった。

……怪訝な表情を浮かべ、ジンは彼の視線を辿り………地下室の出入り口側に振り返った。

























「………シャアアアアアアアアアアア!!」




















………二人の目線の先には、こちらに突進するべく、猪の様に片足で床を蹴りながら勢いを付けている………………モンスターイブ。



















「…………………………アベレット?」

「ほらほらほらほら来たぁ――!!お前猛獣使いでもあるんだろ!!あの猛獣何とかして!!」


…よく状況を把握しきれていないジンは、猛るイブをぼんやりと見詰めながら瞬きを繰り返すのみだ。