亡國の孤城 『心の色』(外伝)



…柱は小刻みにに揺れる。

天井からパラパラと埃が舞い降り、その真下でグッタリと横たわるイブに降り懸かった。




















………………なんだこのバトル。

その場にいる兵士らは冷や汗をかきながらイブとリストを交互に見詰める。


「リスト様…………………あの……これはいくらなんでも……」

……ちょっとやり過ぎでは……と、誰もが思う中、柱に背中を預けていたイブが突然ゆらりと起き上がった。



………近くにいた者は皆、巻きぞいになるのは御免だとばかりに無言で広間の端々に散る。


イブは何やらウー…アー…と低く呻き、乱れた髪を後ろに追いやった。
今の叩き付けられた衝撃で結っていた髪が解けたのか、可愛らしいポニーテールは無くなり、長い長いストレートの髪が広がった。


そんな姿で、しかも四足歩行で呻いているものだから、「…ホラーだ」「ホラーだよこれ…」という怯えた声があちこちから聞こえてきた。





途端、弾かれた様にイブは髪を振り乱してリストに突進して行った。

まっすぐではなく、ジグザグに走りながらだ。


再び目の前に舞い戻ってきたイブは、飛び掛かる寸前、口から気化した猛毒を吐き散らした。
真っ赤な吐息と共に、数匹の赤い蜘蛛が現れ、床を這う。




半分フェーラのリストには、その毒ガスも蜘蛛の毒も効かないのだが………何故かこの毒ガスは効いた。狂騒期の雌の毒は凄まじい威力を持っている様だ。



痺れ効果のあるガスを吸うまいと一瞬守りに入ったリスト。


そのリストの首目掛けて、イブは口を開いた。